堕ちてなお禍々しく輝くスーパースター(ダスト)!

堕ちてなお禍々しく輝くスーパースター(ダスト)!


「あ゛……ぇ゛……お゛お゛……♥」


目の前で色んな液体を垂れ流して痙攣しながら喘いでいるのは、宇沢レイサ……"だったもの"だ。

あの憎きキャスパリーグの大切な友人らしいと聞き、同じ恨みを持つ仲間達で囲んでここに拉致してきたのが数時間前のこと。

最初は激しく抵抗していたものの、例の『装置』を取り付けて一回起動してみたら白目を剥いて大人しくなった。

『ヘイローを弄れるようになる』……眉唾な謳い文句ではあったが、試してみて良かった。どうやら本当だったらしい。


「ぇへ……アはハハハはは……もっとぉ……もっと壊してぇ……♥」


使い勝手が分からず、何度も繰り返し色々試している内に宇沢は壊れた。始めた頃は朦朧とする理性で逃げ出そうとしていたが、後半になるとグチャグチャにされる事を自ら求めてきた。

その眼は焦点が合わず虚ろであり、ヘイローを滅茶苦茶にされる快楽にどっぷり浸かっている。

この様子なら、私達の言う事に何でも従うだろう。


「は、はひっ♥ なぁんでもしますよぉ♥ だからください♥ キモチイイやつ♥ 私が私じゃ無くなるやつゥ♥」


だから、私達は命令した――杏山カズサを騙し討ちして、私達に差し出せと。


「え……? ぃゃ……お、お願いします、それだけは……わ、私の事なら、好きに……命も心も、人生だって差し出しますから……だから、杏山カズサの事だけは……許して――」


驚いた。ここまでヘイローを――精神を犯され壊され滅茶苦茶にされながら、杏山カズサだけはまだ守ろうとしている。それほどまでに、コイツにとってあのキャスパリーグは大切な存在なのだろう。

……だからこそ、使える。コイツが堕ちて裏切った時、キャスパリーグは深く絶望するだろう。それを思うと愉快で仕方ない。

何、今はまだ逆らっているが、私達にはこの『装置』がある。ヘイローと共にこいつの精神を歪曲していけば、いずれは堕ちる。


「――アギッ!? あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~~~~!!? ぅへあァァ~~~~♥♥♥」


……装置のスイッチを握る仲間が、最大出力でヘイローを歪ませた。苦痛に感じる程の快楽が叩き込まれたのだろう、暴れだした宇沢を仲間達が抑え込む。

正気を失ったように喘ぐ宇沢――いや、実際正気を失いつつあるのだろう。杏山カズサを裏切るよう、コイツの心から善悪の箍を削除しているのだから。

ヘイローを通じて脳細胞をプチプチと潰すように、彼女の中の良心や良識を切除していき、悪意や欲望を植え付け増幅していく。

やがて、潰れた蛙の断末魔のような鳴き声を上げて宇沢は失禁し、体から力が抜けた。『終わった』のだろう。仲間達が宇沢から離れた。

私もほくそ笑みながら、倒れた宇沢から用済みになった装置を取り外して掌の上で弄ぶ。この『装置』が有れば、私達は無敵だ。そう確信した。

宇沢のようなウザい正義感を持っていた人間だって思うがままなのだ。あのキャスパリーグだって、これで調教してやれば私達の言いなりに――


それが私の最期の思考だった。











「……ふー。やっと片付きました!」


さっきまで私を嬲っていたクズの皆さんを処理して、私は一息吐きました。

ほんの数時間前までの自分とは全く別のモノになった自覚は有りますが、問題ありません。どれだけ歪んでもこの宇沢レイサはスーパースターですから!

寧ろ、前よりも清々しい良い気分です! 沢山気持ち良くなって、下らない柵(しがらみ)から解き放たれて……『前の私』を『今の私』に変えてくれた事には素直に感謝です!

……まぁ、だからといって杏山カズサに手を出そうとしたのは絶対に許しませんが。


あの時――『前の私』が終わって『今の私』に成れた時。油断して私から意識が離れていたみたいだったので、いつに無く冷静な気分で隙を突いて反撃を開始しました。

まずは一人、気持ち悪い笑みを浮かべていた女を仕留めて。他の連中も慌てて取り押さえようとしてきましたが、所詮は敵のヘイローを壊す度胸も無いような雑魚共です。簡単に制圧できました。

途中でやり過ぎて2、3人ほどヘイロー壊しちゃいましたが、それだけで残りの皆さんが戦意を喪失して無様に逃げ出そうとしたのが滑稽で、思わず笑っちゃいました。まぁ逃がしませんでしたけど。

『前の私』は下らない倫理とか良識に従って力を抑えてましたが、『今の私』にそんな弱点はありません! パワーアップしたスーパーレイサは悪党のヘイローを破壊するのも余裕です!


で、ズタボロにして意識を失った生き残りの方々を縛り上げた後、例の『装置』……私を変えてくれた素晴らしい装置を没収しました。こんな社会のゴミに使われるより、正義の使徒たる私が持つべきですからね!

とはいえ、これを使うにもまずは練習が必要です。詳しく調べず行き当たりばったりで使ったら、こいつらみたいに失敗して手痛いしっぺ返しを食らうかもしれません。

幸い、ここにはいくらでも壊して良い実験台がいくらでも転がっていましたから。一人ずつ順番に、練習に付き合って頂きました!

全員が壊れた頃には、『装置』の事を深く理解できました。人格の書き換えでも、ただ気持ち良くなるだけの愛撫でも、自由自在に扱えます!


「――あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛♥♥♥♥♥ やっぱこれしゅごいぃぃぃぃ♥♥♥♥♥」


おかげで――自分が壊れる限界ギリギリを見極めて"一人遊び"に励む事ができてます♥ 最高に気持ち良くて飛んじゃいそう♥ 教えてくれた皆さんには感謝です♥

まぁ皆さん壊れたオルゴールみたいに汚い喘ぎ声を垂れ流す人形になっててウザかったので、全員纏めてヘイロー壊して埋めちゃいましたけど♥ 自業自得ってやつですね、いい気味です♥ クソみたいな逆恨みで杏山カズサを狙った罰です♥


「あ゛っ♥ そうです、杏山カズサ! 杏山カズサにも教えてあげないと♥」


この至福の快楽、私一人で独占するのも良いですが、杏山カズサと一緒なら。もっと気持ち良く、もっと幸せになれる……その確信がありました。

もちろん、私はあの逆恨みしか能が無いウジ虫共とは違います。杏山カズサを相手に無理矢理人格を書き換えるような真似はしません。

人格改変は悪人の更生に使うべきものですからね。今後の自警団活動で捕まえた悪人はしっかり真人間に調教してから解放します。ゴミのリサイクルってやつです!

まぁ、制圧する時にうっかりヘイロー壊しちゃったらその時はその時です! 脆いのが悪いです、結果として社会からゴミが減るのに変わりないですし。リサイクルは義務じゃなくて、私の慈悲によるボランティアですから。悪人の命よりも市民の皆さんの安心が優先です!


さておき、杏山カズサの事です! 彼女の人格を私の思い通りにする事も可能ですが、それでは私の大好きな杏山カズサではなくなってしまいます!

だから精々、欲求に素直になるよう整えてあげる程度ですね! その上でヘイローに直接快楽を流し込み続ければ、きっと分かってくれます! 彼女も私と同じ境地に至れるに違いありません!

そしたら私と二人でヘイロー弄り合って愛し合いましょう!

装置の事は二人きりの秘密です! スイーツ部の皆さんにも、スズミさんにも教えません! 私達二人で、この素晴らしい装置を共有して、一緒にめくるめく快楽に耽りましょう!



『前の私』も『今の私』も、貴女の事が大好きです――愛してますよ、杏山カズサ。

これは装置のおかげで気付けた、私の本心。それだけは、この装置ですら枉げられなかった真実ですから。

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